「新築の打ち合わせでハウスメーカーに『LANはどうしますか』と聞かれたが、正直よくわからない」「あとで困らないように仕込んでおきたいが、どの部屋に何本が正解?」──注文住宅・建売のオプション検討中の方から、このご相談が増えています。LAN配線は建築中に仕込めば数千円〜数万円、完成後にやり直すと1本6〜10万円。家づくりの中でもっとも「事前の計画」が効く設備のひとつです。この記事では、福岡でLAN工事を手がける立場から、部屋別の推奨本数・規格の選び方・よくある後悔例を保存版としてまとめます。

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結論:迷ったらこの構成(部屋別の推奨早見表)

先に結論からお見せします。延床30〜40坪・2階建ての標準的な戸建てを想定した推奨構成です。

場所 推奨本数 理由
情報分電盤(起点) 全配線の集約点。ルーター・HUBを収納
リビング(テレビ裏) 2本 テレビ・レコーダー・ゲーム機で1本では足りない
書斎・ワークスペース 2本 仕事用PC+将来のNAS・サブ機器用
主寝室 1本 テレビまたはWi-Fi AP用
子ども部屋(各室) 各1本 学習用PC・ゲーム機。成長後に効く
2階ホール天井 1本 Wi-Fi 6 AP用。家全体の無線を安定させる要
玄関・軒下(屋外向け) 1本 防犯カメラ・インターホン連携用

合計8〜9本・すべてCat6Aが、この10年を見据えた「後悔しない標準構成」です。建築中に仕込む場合の材料・工賃の追加は、トータルで5〜10万円程度に収まるのが一般的です。

ポイント:本数を削るなら「使うか分からない部屋」から。ただし2階ホール天井のAP用1本だけは削らないことをおすすめします。ここが家全体のWi-Fi品質を決めます。

なぜ「Wi-Fiがあるのに有線LAN?」──新築で仕込む3つの理由

理由1:Wi-Fiの土台は結局有線

Wi-Fiを家中に安定して飛ばすには、アクセスポイント(AP)を適切な位置(2階天井など)に置くのが定石で、そのAPまで信号を運ぶのは有線LANです。「無線を快適にするための有線」という関係にあり、対立するものではありません。

理由2:あとから通す工事は10倍高い

建築中なら壁も天井も開いているため、ケーブルを這わせる作業は簡単です。完成後に同じことをすると、壁内配線工事として1本6〜10万円かかります。建築中の仕込みは「保険」として圧倒的に割安です

理由3:テレワーク・オンライン授業・ゲームは有線が確実

ビデオ会議の安定性、オンラインゲームの応答速度は、Wi-Fiより有線が確実です。詳しくは有線LANでラグを改善する記事で解説していますが、書斎・子ども部屋の有線化は在宅ワーク・学習環境への投資と考えると分かりやすいです。

規格はCat6A一択でよい理由

新築で仕込む配線の規格は、Cat6A(10GBASE-T対応・100m)を推奨します。

  • 費用差が小さい:Cat6との材料差は家全体で数千〜1万円程度。建築中ならこの差だけで済みます
  • 回線の10ギガ化が進行中:福岡でもフレッツ光クロス・NURO光10G・BBIQ10ギガの提供エリアが拡大しています(10ギガ回線は必要かの記事参照)
  • 張り替えは高くつく:Cat6で仕込んで10年後にCat6Aへ張り替えると、1本4万円〜の工事になります

「空配管(CD管)だけ通してケーブルは後で」という選択は、配管の曲がりが多いとCat6Aの太いケーブルが通らないことがあるため、注意が必要です。仕込むならケーブルまで入れておくのが確実です。規格の詳しい違いはCat6とCat6Aの比較記事をご覧ください。

情報分電盤(起点)の設計で失敗しないために

すべてのLAN配線が集まる「情報分電盤(マルチメディアボックス)」の設計は、後悔が集中するポイントです。

チェック1:サイズに余裕を持たせる

標準サイズの情報分電盤は、ONU+ルーターを入れるといっぱいになりがちです。HUB・将来の10G対応機器・電源タップまで収まる大きめサイズを指定しておくと、あとで「箱に入らず外にはみ出す」事態を防げます。

チェック2:分電盤内にコンセントを2口以上

ONU・ルーター・HUBで電源は最低3口使います。分電盤内のコンセントが1口だと、タコ足配線が箱の中に生まれます。

チェック3:設置場所は「家の中央寄り・熱がこもらない場所」

玄関の靴箱上などに置かれがちですが、Wi-Fiルーターを分電盤内に入れる場合、設置場所がそのまま電波の中心になります。可能なら廊下収納など家の中央寄りを指定します。熱がこもると機器の寿命が縮むため、通気も確認ポイントです。

よくある後悔ワースト5

ワースト1:「Wi-Fiで足りると思って1本も仕込まなかった」

もっとも多い後悔です。入居後に2階の電波不足が判明し、結局壁内配線工事を追加発注──建築中なら数万円で済んだものが、10万円前後の出費になります。

ワースト2:テレビ裏が1本で足りない

テレビ・レコーダー・ストリーミング端末・ゲーム機と、テレビ周りは有線機器が集中します。1本だと結局スイッチングHUBを床置きすることになり、配線がごちゃつきます。

ワースト3:AP用の天井配線を忘れた

コンセント高さの配線だけ仕込み、天井付けAP用の配線がない、というケース。2階ホール天井への1本が、後から一番「仕込んでおけば」と言われる場所です。

ワースト4:屋外(防犯カメラ用)を忘れた

玄関・駐車場向けの防犯カメラはPoE給電のIPカメラが主流で、LAN配線1本で設置できます。軒下への仕込みがないと、後付けで外壁貫通の工事が必要になります。

ワースト5:コンセント位置と家具配置が合っていない

LANコンセントがベッドの裏・ソファの裏に隠れてしまう配置ミス。家具レイアウト図とセットで配線位置を決めるのが対策です。

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ハウスメーカー・工務店との役割分担

新築のLAN配線は、進め方が3パターンあります。

進め方 費用感 向いているケース
ハウスメーカーのオプションで依頼 1か所1.5〜3万円程度 手間を最小にしたい
建築中に専門業者が入って施工 まとめて5〜10万円程度 本数が多い・設計から相談したい
引き渡し後に専門業者へ依頼 1本6〜10万円 (建築中に間に合わなかった場合)

ハウスメーカーのオプションは1か所単価が高めな一方、手配が楽です。本数が多い場合は、建築中に専門業者が入るほうがトータルで安くなることが多いため、工務店との調整も含めてご相談ください。当社では上棟後〜断熱工事前のタイミングでの割り込み施工に対応しています。

福岡の新築事情:エリア別の傾向

  • 東区(香椎照葉・アイランドシティ・千早):新築分譲が続くエリア。10ギガ回線の提供エリアでもあり、Cat6A標準の仕込み依頼が中心です
  • 西区(今宿・周船寺・糸島方面):延床が大きい注文住宅が多く、AP2台構成+屋外カメラ用まで含む8〜10本のフル仕込みが人気です
  • 南区・那珂川・春日・大野城:2階建て標準構成(6〜8本)のご相談が中心です

対応エリアの詳細は対応エリアページ、戸建て工事の全体像は個人住宅向けLAN工事ページをご覧ください。

新築LAN配線でよくあるご質問

Q. 建築のどの段階までに相談すればよいですか?

理想は間取り確定の前後(着工前)です。配線ルートとコンセント位置を図面に反映できます。着工後でも、断熱・石膏ボード工事の前であれば施工可能なことが多いので、まずは工程表をお知らせください。

Q. 全部で費用はどれくらい見ておけばよいですか?

建築中の仕込みで、8本構成+情報分電盤まわりの整備で5〜10万円程度が目安です(ハウスメーカー経由か専門業者直かで変動)。完成後の追加は1本あたり6〜10万円になるため、迷う本数は「仕込んでおく」が経済合理的です。詳しくは工事の費用ページをご参照ください。

Q. 建売住宅ですでに完成しています。もう遅いですか?

遅くありません。完成後でも既設のCD管や点検口を使った施工で、想定より安く収まるケースがあります。壁内LAN配線工事の記事で完成後の費用と方法を解説しています。

Q. Wi-Fiメッシュを買う予定なので配線は不要では?

メッシュWi-Fiも、ノード間を有線で繋ぐ「有線バックホール」構成にすると安定度が大きく上がります。配線はメッシュの価値を高める投資でもあります。中継器とメッシュの比較記事もご参考ください。

Q. 電話(固定電話)やテレビの配線も一緒に相談できますか?

可能です。情報分電盤にはLAN・電話・テレビ(同軸)が同居するため、まとめて設計するほうが盤内がきれいに収まります。ひかり電話への移行を前提にした簡素化のご提案もできます。

まとめ:新築のLAN配線は「数万円の仕込み」が10年効く

新築戸建てのLAN配線は、リビング2本・書斎2本・各居室1本・2階天井AP用1本・屋外1本のCat6A構成を基準に、間取りと暮らし方で足し引きするのが実践的です。建築中なら5〜10万円で済む仕込みが、完成後には1本6〜10万円の工事になります。「うちの間取りだと何本が適正?」というご相談は、間取り図をLINEに送っていただければ、部屋ごとの推奨と概算をその場でお返しします。ハウスメーカーとの調整段階の「セカンドオピニオン」としてのご利用も歓迎です。

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