Wi-Fiルーターの買い替えは、ケーブルをつなぎ替えるだけなら短時間で終わる作業です。つまずきやすいのはその前後で、「プロバイダのIDとパスワードがわからない」「新しいルーターにしたらプリンターがつながらない」といったトラブルは珍しくありません。こうした失敗の多くは、事前の確認とメモで防げます。この記事では、買う前の確認から当日の設定手順、IoT機器の再接続、旧ルーターの処分までを順番に解説します。

この記事の結論

  • 買う前に、回線の接続方式(PPPoE/IPoE)、ホームゲートウェイ(HGW)の有無、WANポートの速度、IPv6への対応を確認します。
  • 旧ルーターのSSID・パスワード、PPPoEのID・パスワード、ポート開放と固定IPの設定をメモし、新しいルーターのSSIDとパスワードを旧ルーターと同じにすると、端末の再設定の手間を大きく減らせます。
  • HGWがある家庭では新ルーターをブリッジ(APモード)で使い、設定後はIoT機器の再接続と速度確認、旧ルーターの初期化まで行います。

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Wi-Fiルーターを買い替える前に確認したい4つのこと

買う前に確認したいのは、接続方式・HGWの有無・WANポートの速度・IPv6対応の4つです。合っていないと、性能を活かせないこともあります。

確認項目 確認のしかた 選ぶときの目安
接続方式(PPPoE/IPoE) プロバイダの契約書類・会員ページ 契約中の方式に対応した機種を選ぶ
HGWの有無 ひかり電話の契約、回線機器の型番 HGWがあれば新ルーターはブリッジで使うのが一般的
WANポートの速度 契約中の回線の最大速度 10ギガ回線なら10Gbps対応のWANポートが必要
IPv6対応 メーカーの対応サービス一覧 v6プラスなど、プロバイダの方式に対応しているか

PPPoEとは、プロバイダが発行したIDとパスワードで認証してつなぐ方式、IPoEとは、IDとパスワードを使わず混雑しにくい経路でつなぐ方式のことです。また、WANポートとは、ONUやHGWとつなぐ「インターネット側」の差し込み口のことです。

福岡市内でも東区などで10ギガ対応の光回線を選べるエリアが広がっており(2026年9月時点。提供エリアは各社で確認を)、回線の乗り換えを機にした買い替えのご相談もよくあります。Wi-Fiの規格選びはWi-Fi 7が必要かどうかの判断ポイントも参考にしてください。

旧ルーターを外す前に、事前にメモしておくことチェックリスト

旧ルーターを外す前に、次の4項目をメモかスクリーンショットで残しておきます。SSIDとは、Wi-Fiのネットワークを見分けるための名前のことです。

  • □ 旧SSIDとパスワード:初期値から変えている場合は、管理画面で確認します
  • □ PPPoEのID・パスワード:プロバイダから届いた登録内容の書類などに記載されています
  • □ ポート開放の設定:外からの通信を特定の機器へ通す設定です。ゲーム機、防犯カメラの録画機、NASなどの番号と機器を控えます
  • □ 固定IPで使っている機器:決まったIPアドレスを割り当てているプリンター、NAS、防犯カメラなどのアドレス

PPPoEのパスワードを紛失していると、プロバイダへの再発行の手続きが必要になり、その日のうちにつなげないことがあります。書類が見つからない場合は、買い替えの前に問い合わせておきましょう。ルーター背面の配線もスマホで撮っておくと、元に戻したいときに迷いません。

SSIDとパスワードの引き継ぎで、端末の再設定が楽になる

新しいルーターのSSIDとパスワードを旧ルーターと同じにすると、多くの端末が自動でつながり直し、家族全員の端末を設定し直す手間を大きく減らせます。

  • 引っ越し機能:旧ルーターのSSIDとパスワードを新しいルーターへコピーできる機種もあります(対応機種はメーカーの案内で確認を)
  • 暗号化方式:SSIDとパスワードが同じでも、暗号化方式(WPA2/WPA3)が変わると、つながり直さない機器があります
  • 旧ルーターは先に止める:同じSSIDのルーターが2台動いていると、端末が旧ルーターにつながったままになることがあります

ポイント:SSIDとパスワードは、大文字・小文字や記号が1文字でも違うと別のWi-Fiとして扱われます。旧ルーターの表記と完全に一致させましょう。

ルーター交換の設定手順【当日の8ステップ】

当日は次の順番で進めます。つなぐ機器が少ない家庭なら、1時間前後がひとつの目安です。

  1. 旧ルーターを外す:電源を切り、ONU(またはHGW)とつないでいたケーブルを外します
  2. 動作モードを決める:HGWがあればブリッジ(APモード)、ONUだけならルーターモードが基本です
  3. 新ルーターをつなぐ:ONU(HGW)のLANポートと新ルーターのWANポートをつなぎ、ONU→新ルーターの順に電源を入れます
  4. 接続設定をする:画面の案内に沿って進めます。IPoEは自動判別されることが多く、PPPoEならメモしたIDとパスワードを入力します
  5. SSIDとパスワードを設定する:旧ルーターと同じにするか、新しいものにします
  6. ファームウェアの更新と管理画面パスワードの変更:最新版に更新し、管理画面のパスワードを変えます
  7. 端末・IoT機器をつなぎ直す:ポート開放や固定IPの設定もここで移します
  8. 速度を確認する:ルーターの近くと離れた部屋で測ります

二重ルーターにならないか、モードを確認する

HGWがある家庭で新ルーターをルーターモードのままつなぐと、二重ルーターになります。上位にルーターがあると自動でAPモードに切り替わる機種もありますが、念のため設定画面で確認しましょう。判断のしかたは二重ルーターの確認方法と解消手順で解説しています。

管理画面のパスワードは初期値のままにしない

管理画面のパスワードとは、ルーターの設定画面に入るためのパスワードのことで、Wi-Fiにつなぐためのパスワードとは別物です。推測されにくいものに変え、ファームウェアの自動更新機能があれば有効にしておくと安心です。

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新しいルーターに繋がらない機器があるときの対処

スマホやパソコンはつながったのに、スマート家電やプリンター、防犯カメラだけつながらない──買い替えで起きやすいつまずきです。原因の多くは、周波数帯・暗号化方式・IPアドレスの違いにあります。

  • 2.4GHz専用機器:スマート家電や一部のカメラ・プリンターは2.4GHz帯にしか対応していません。2.4GHzと5GHzを1つのSSIDにまとめる設定だと失敗することがあるため、一時的にSSIDを分けて2.4GHz側につなぎます
  • WPA3非対応機器:WPA3とは、Wi-Fiの暗号化方式の新しい規格のことです。WPA3のみの設定では古い機器がつながらないため、「WPA2/WPA3」の混在モードを選びます
  • 固定IPの機器:新旧でIPアドレスの範囲(192.168.1.x/192.168.11.xなど)が変わると、固定IPの機器と通信できなくなります。機器側を変えるか、新ルーターの範囲を旧ルーターに合わせます

スマホやパソコンも含めてつながらない場合は、Wi-Fiが突然つながらないときの切り分け手順も参考にしてください。

速度の確認と、旧ルーターの初期化・処分

設定が終わったら、速度を測って効果を確かめ、旧ルーターは初期化してから手放します。

速度は「近く」と「いちばん遠い部屋」で測る

速度測定サイトで、ルーターの近くといちばん遠い部屋を測り、旧ルーターのときと比べます。遠い部屋だけ遅いなら電波の届き方が原因のことが多く、中継器とメッシュWi-Fiの違いと選び方が、全体に遅いならWi-Fiが遅い原因の切り分け手順が参考になります。

旧ルーターは初期化してから処分する

旧ルーターには、Wi-FiのパスワードやPPPoEのID・パスワードなどが保存されています。取扱説明書の手順で初期化(工場出荷時の状態に戻す)してから処分しましょう。処分方法は自治体によって異なるため、福岡市など各自治体の小型家電回収の案内を確認するか、家電量販店の回収サービスを利用します。プロバイダや回線事業者からのレンタル品は、処分せずに返却が必要です。

自分で設定できるケースと、代行を頼んだほうがいいケース

ONUに新ルーターを1台つなぐだけで、つなぐ端末も少ないなら、説明書どおりに進めれば自分で十分設定できます。一方、次のような場合は代行を検討する価値があります。

  • HGWやIPoEがからむ:ブリッジにするかの判断や、IPv6の方式の確認に自信がない
  • つなぎ直す機器が多い:スマート家電や防犯カメラ、NASなど、ポート開放や固定IPの設定がある
  • 設置工事がある:壁掛け・天井付けにしたい、メッシュWi-Fiを複数台置きたい
無線LAN設置・設定代行パック 参考価格
設置+設定+端末5台接続(機器はお客様支給) 20,000円〜
機器選定込み(当方で手配) 30,000円〜+機器代
設定のみ(取り付けなし) 15,000円〜

※いずれも派遣費10,000円が別途かかります。詳しくは個人住宅向けページの「無線LAN設置・設定代行パック」をご覧ください。

ルーターの買い替え・設定でよくあるご質問

Q. プロバイダのIDとパスワードがわかりません。

プロバイダに再発行を依頼します。手続きに日数がかかることもあるため、買い替えの前に確認しておくと安心です。IPoEに対応した契約と機種の組み合わせなら、IDとパスワードなしでつながることもあります。

Q. レンタルのルーターから市販ルーターに替えても大丈夫ですか?

多くの場合は問題ありません。ただし、ひかり電話のHGWは電話に必要なため外さず、市販ルーターをブリッジで追加します。不要になったレンタル品は、解約と返却の手続きを行ってください。

Q. 買い替えたのに速くなりません。

ルーター以外に原因があることも少なくありません。有線でも遅いなら回線の契約や接続方式を、Wi-Fiだけ遅いなら端末の規格や電波の届き方を疑います。

Q. 機器を買う前に相談できますか?

できます。契約中の回線とプロバイダ、間取りをお知らせいただければ、合う機種の条件をお伝えします。機器選定からのご依頼は「機器選定込み」(30,000円〜+機器代、派遣費別途)です。そのほかの疑問はLAN工事のよくあるご質問ページもご覧ください。

まとめ:ルーター買い替えは「事前メモ」と「モードの判断」で失敗を防げる

Wi-Fiルーターの買い替えは、買う前に接続方式・HGWの有無・WANポートの速度・IPv6対応を確かめ、旧ルーターの設定をメモしておくことが成功の近道です。SSIDとパスワードを引き継げば、端末の再設定はぐっと楽になり、HGWがある家庭ではブリッジ(APモード)で二重ルーターを避けられます。設定後はIoT機器の再接続と速度確認を行い、旧ルーターは初期化してから処分しましょう。「この機種でうちの回線に合う?」「設定を丸ごと任せたい」という場合は、型番や写真をLINEで送っていただければご案内します。

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