「天井にWi-Fi APを設置したいが、電源コンセントがない」「屋外の防犯カメラに毎回電源工事するのが面倒」「LAN工事の見積もりにPoE+対応スイッチと書かれているが何のこと?」──事務所やビル共用部のLAN工事で決まって登場するのがPoE(Power over Ethernet)給電です。PoEを正しく使うと、配線本数も電源工事も劇的に減らせます。この記事では、PoE給電の仕組みとLAN工事でのメリット、使いどころを解説します。

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PoE(Power over Ethernet)とは

PoEは、LANケーブル1本でデータ通信と電力供給を同時に行う技術です。電源コンセントから離れた場所にWi-Fi AP・防犯カメラ・IP電話などを設置するときに使います。

給電の仕組み

PoE対応スイッチ(給電側)から、LANケーブルを通して48V程度のDC電源を相手機器(受電側)に送ります。受電側のAP・カメラは、内蔵のレギュレータで自分用の電圧に変換して使います。電源と通信が同じLANケーブル1本で済むため、別途電源コンセントが不要です。

PoE規格の世代

規格 給電能力 主な用途
PoE(IEEE 802.3af) 最大15.4W IP電話・小型Wi-Fi AP
PoE+(IEEE 802.3at) 最大30W 業務用Wi-Fi 6 AP・IPカメラ
PoE++(IEEE 802.3bt Type3) 最大60W PTZカメラ・大型機器
PoE++(IEEE 802.3bt Type4) 最大90W シンクライアント・小型サイネージ

現在の業務用Wi-Fi 6 APはPoE+で動作するものが主流です。屋外の高機能PTZカメラやサイネージにはPoE++が必要なこともあります。

LAN工事におけるPoE給電の3つのメリット

メリット1:電源工事が不要になる

天井にWi-Fi APを設置するとき、AC100Vコンセントを新設するには電気工事士の資格と工事費が必要です。PoEを使えばLANケーブル1本だけで電源と通信を同時に運べるので、電源工事費を完全に省略できます。

メリット2:設置位置の自由度が上がる

電源コンセントの位置に縛られず、本当に置きたい場所(天井の中心、壁の高い位置、屋外の軒下など)にAP・カメラを設置できます。電波品質や撮影アングルを優先した設計が可能になります。

メリット3:機器の集中管理がしやすい

PoEスイッチから給電している機器は、スイッチ側から個別に「電源OFF→ON」(リブート)ができます。トラブル時のリモート対応や、夜間のスケジュール電源管理が現場に行かずに済みます。

PoEを使う代表的なシーン

シーン1:Wi-Fi 6 アクセスポイント

業務用Wi-Fi 6 APは天井設置が前提です。PoE+対応のスイッチからLANケーブル1本で給電・通信を運べば、AP増設のたびに電気工事を頼む必要がなくなります。詳しくはオフィス・テナント向けページもご参照ください。

シーン2:屋内・屋外の防犯カメラ

IPカメラの主流はPoE+給電です。録画装置(NVR)から各カメラまでLANケーブル1本を引くだけで、電源工事不要で設置できます。屋外設置でも防水仕様のPoEカメラがあります。

シーン3:IP電話・クラウドPBX端末

IP電話機の多くはPoE給電に対応しています。デスクの脇に電源タップを置かなくて済むので、机周りがすっきりします。

シーン4:デジタルサイネージ・小型ディスプレイ

PoE++(Type4)に対応する小型サイネージなら、店頭・受付・案内表示にケーブル1本で設置できます。配線ルートが大幅にシンプル化します。

PoE給電を含むLAN工事の費用感

項目 費用目安
PoE+対応スイッチ(8ポート) 20,000〜50,000円
PoE+対応スイッチ(24ポート・業務用) 50,000〜150,000円
PoE++対応スイッチ(高機能・大規模向け) 100,000円〜
LAN配線(PoE機器までの追加配線) 1本24,000円〜
AP設置・初期設定(PoE+給電) 25,000円〜
防犯カメラ設置(PoE+給電) 30,000円〜+カメラ代

詳細は工事の費用ページを参照ください。

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PoE構成にする際の3つの注意点

注意1:給電予算(電力バジェット)の計算

PoEスイッチは「全ポート合計の給電能力」が決まっています。たとえば「全ポート合計370W」のスイッチに、PoE+(30W)×16台を繋ぐと480Wが必要となり、後半のポートで給電が止まる、という事態になります。設計段階で給電予算を計算します。

注意2:LANケーブルの規格と距離

PoE給電は規格上100m以内が前提です。実際には90m以下で設計するのが安全です。長距離になる場合はPoEエクステンダ(中継器)の追加が必要です。Cat6・Cat6A対応ケーブルを選ぶことで、給電と通信の両方が安定します。

注意3:UPS(無停電電源装置)でPoE機器も守る

PoEスイッチがUPSに繋がっていれば、停電時もWi-Fi AP・防犯カメラ・IP電話が一定時間動き続けます。停電対策をしたい現場ではUPSとセットでの設計をおすすめします。

PoE構成の典型的な設計例

例1:20名規模オフィス+会議室3室+Wi-Fi 6 AP4台

  • 24ポートPoE+スイッチ×1台(給電予算370W)
  • Wi-Fi 6 AP×4台(PoE+ 各30W=合計120W)
  • IP電話×10台(PoE 各6W=合計60W)
  • 会議室カメラ×3台(PoE+ 各15W=合計45W)
  • 合計給電225W ← 給電予算の61%で余裕

例2:商業ビル共用部Wi-Fi+防犯カメラ

  • 24ポートPoE++スイッチ×1台(給電予算500W)
  • Wi-Fi 6 AP×6台(PoE+ 各30W=合計180W)
  • IPカメラ×10台(PoE+ 各15W=合計150W)
  • PTZカメラ×2台(PoE++ 各60W=合計120W)
  • 合計給電450W ← 給電予算の90%でフル稼働近い

この場合はPoE++スイッチを2台構成にして冗長化することも検討します。

家物語グループでのPoE設計の進め方

家物語グループ福岡では、PoE構成のLAN工事を以下の流れで進めます。

  1. 機器リストの確認:AP・カメラ・電話・サイネージなどPoE機器を洗い出し
  2. 給電予算の計算:合計給電量を算出し、必要なスイッチ規模を確定
  3. 配線本数と距離の設計:各機器までの配線本数を確定し、距離を測定
  4. スイッチ・ケーブル選定:PoE+/PoE++ / Cat6/Cat6Aを選定
  5. UPS・冗長化の検討:停電対策が必要なら追加設計
  6. 施工・動作確認:給電・通信・機器動作を順に確認

関連工事として、防犯カメラ部門との連携も家物語グループ内で完結します。詳しくはビルオーナー向けページもご参照ください。

PoE給電でよくあるご質問

Q. 家庭用でもPoEは使えますか?

使えますが、家庭規模ではメリットが少ないことが多いです。1〜2台のAP・カメラなら、別途電源を取るほうが安く済みます。10台以上の機器がある場合や、配線がきれいに見える設計を重視するなら家庭用でも検討の価値があります。

Q. PoEとPoE+の機器を混在できますか?

はい、可能です。PoE+対応スイッチはPoE機器にも給電できます(規格の上位互換)。ただしPoEスイッチにPoE+機器を繋ぐと、給電が足りずに動作しないことがあります。

Q. PoE給電と通常の電源、どちらが信頼性が高いですか?

適切に設計すればPoE給電のほうが管理しやすい構成になります。電源タップが現場で抜かれる、コンセントが汚れて接触不良になる、といった「人が触れる電源」のトラブルがなくなります。

Q. PoE+対応スイッチへのリプレースだけ依頼できますか?

はい、対応します。既設のスイッチをPoE+対応に交換するだけでも、既存のAP・カメラに給電できるようになります。Q&Aもご参照ください。

まとめ:PoEは「配線と電源を一本化する」現代LANの定石

PoE給電は、LANケーブル1本で電源・通信を運べることで、配線設計・電源工事の負荷を大きく減らせる技術です。Wi-Fi AP・防犯カメラ・IP電話・サイネージなどを使うオフィス・ビル共用部・店舗では、PoEを前提に設計することが定石になりつつあります。家物語グループ福岡では、給電予算の計算から、機器選定、UPSとの組み合わせまで一括対応します。「うちの構成でPoEは効く?」というご相談は、現状の機器構成と配置をLINEに送っていただければ、その場でご提案できます。

福岡のLAN工事のご相談はLINEからお気軽に

記事をお読みいただきありがとうございます。「うちの戸建てではいくらくらいで収まる?」「事務所移転に間に合う?」「写真と図面を見て概算が知りたい」など、LINEのトーク感覚で気軽にご相談いただけます。配線したい場所の写真や、フロアレイアウトをお送りいただければ、より具体的にご案内できます。

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