九州の台風シーズンは9月から10月が本番です。停電すると、光回線が無事でも家の中のONUやルーターが止まり、Wi-Fiもひかり電話も使えなくなります。雷サージでLANポートが壊れることもあります。この記事では、停電中もネットを使い続けるUPSの選び方、雷から機器を守る方法、台風後の点検と復旧手順を、家庭と小規模オフィス向けにまとめました。

この記事の結論

  • 停電でネットが止まる主な原因はONU・ルーターの電源切れです。光回線なら、この2台に電源があれば停電中も使えることが多いです(設備・事業者によります)
  • 家庭はONUとルーター(合計10〜30W程度が目安)を市販の小型UPSにつなぐだけで足りることが多く、高価なUPSは要りません
  • 雷サージは電源線とLAN・電話線の両方から入ります。サージ保護機器を使い、雷が近づく前に大切な機器のプラグを抜きましょう

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停電すると家の中で何が止まる?Wi-Fiが使えなくなる理由

停電でネットが使えなくなるのは、多くの場合、回線が切れたからではなく家の中の通信機器の電源が落ちるからです。ONU(光回線終端装置)とは、光ファイバーの光信号を、ルーターやパソコンが扱える電気信号に変える機器のことです。

機器 停電中の状態
ONU・ホームゲートウェイ 光回線との通信が止まる
Wi-Fiルーター Wi-Fiが消え、スマホは4G・5Gの通信に切り替わる
スイッチングHUB 有線でつないだパソコンやテレビが通信できない
ひかり電話 ホームゲートウェイが止まると通話できない
デスクトップPC・NAS 保存前のデータが失われることがある

ひかり電話はホームゲートウェイに電源がないと使えず、親機にACアダプターが必要なコードレス電話も同様です。

光回線は停電中も使える?使えるケース・使えないケース

光回線は、家の中のONUとルーターに電源さえあれば、停電中もネットを使えることが多い回線です。一般的に、光ファイバーの途中は電源のいらない機器で組まれ、事業者の局舎には予備電源が備えられているためです。ただし保証ではなく、回線の方式や設備、停電の規模によって変わります。

  • ケーブルテレビ系(同軸方式):電柱などにある途中の設備が停電で止まる場合があります
  • マンションのVDSL方式・LAN方式:共用部の通信機器にも電源が必要で、建物全体の停電では住戸内のUPSだけでは足りないことがあります
  • 広域・長時間の停電や断線:事業者側の予備電源にも限りがあり、断線なら復旧工事待ちになります

九州では台風による大規模停電が過去にも発生しています。回線の種類ごとの特徴は福岡の光回線おすすめ比較もご覧ください。

UPSの選び方:容量(VA・W)・給電方式・出力波形

UPS(無停電電源装置)とは、内蔵バッテリーに電気をためておき、停電しても機器へ電気を送り続ける装置のことです。ONUとルーターだけなら小型のもので足ります。

容量は「W値」の余裕で選ぶ

VAとは電圧と電流を掛けた見かけ上の電力のことで、カタログの「500VA/300W」ならW値の300Wが実際に使える電力の上限です。つなぐ機器の消費電力の合計が、UPSのW値に余裕をもって収まるものを選びましょう。ONUとルーターは一般的に合計10〜30W程度が目安で、ACアダプターの出力表示(例:12V・1.5Aなら最大18W)を足すと上限を見積もれます。

給電方式と出力波形

給電方式 しくみ 向く用途
常時商用給電方式 停電時にバッテリーへ切り替える(ごく短い瞬断あり) 家庭のONU・ルーター
ラインインタラクティブ方式 上記に電圧の変動を整える機能を追加 小規模オフィスのPC・NAS
常時インバータ方式 常にバッテリー側の回路を通し、瞬断がない サーバーなど止められない機器

出力波形は、ONU・ルーターなら階段状の「矩形波」でも動くことが多い一方、パソコンやNASにはコンセントと同じ「正弦波」が推奨されることがあります。

ポイント:家庭用なら常時商用給電方式の小型UPSで十分なことが多いです。バッテリーは一般的に数年ごとに交換する消耗品で熱に弱いため、情報分電盤の中を避けて置きましょう。

自分でできる停電対策と、工事を頼んだほうがいいケース

多くの家庭では、市販の小型UPSにONUとルーターの電源プラグを挿し替えるだけで停電対策は足ります。HUBやテレビまでつなぐ必要はなく、大容量の高価なUPSも要りません。

小規模オフィスはUPS+自動シャットダウンまで

オフィスではデータを壊さずに安全に止めることが優先です。NASやサーバーは動作中に電源が落ちるとデータが壊れることがあるため、UPSとUSBやネットワークで連携させ、停電を検知したら自動でシャットダウンする設定にします。PoE給電のAPや防犯カメラがあれば、PoEスイッチもUPSで守るか検討します(PoE給電のメリットと使いどころ)。

工事を依頼したほうがいいケースと参考価格

ONU・ルーターが情報分電盤の中にあり置き場所やコンセントがない、屋外配線のサージ対策に接地が要る、自動シャットダウンまで任せたい、といった場合は工事をご検討ください。

内容 参考価格
UPS導入(ONU・ルーター用) 20,000円〜+機器代
雷サージ保護機器の設置(LAN・電源) 10,000円〜+部材
オフィスのUPS+自動シャットダウン設定 50,000円〜+機器代

いずれも2026年9月時点の目安で、派遣費10,000円が別途かかります。詳しくは工事の費用、個人住宅向けLAN工事、オフィス向けLAN工事の各ページをご覧ください。

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停電でWi-Fiが使えないときのバックアップ回線

予備の回線にはスマホのテザリングがもっとも手軽です。テザリングとは、スマホのモバイル回線をWi-Fiなどで共有し、パソコンなどをネットにつなぐ機能のことです。

  • プランと電池:テザリングの申し込みやデータ容量の上限を確認し、台風の前にモバイルバッテリーを満充電にしておきます
  • ホームルーターは電源が必要:コンセント式のホームルーターは、停電中はUPSなどがないと使えません。電池内蔵のモバイルルーターなら使えます
  • モバイル回線にも限界:基地局にも予備電源はありますが、広域の停電が長引くと止まることがあります

在宅勤務の環境づくりはテレワーク用に自宅のネット環境を整える方法もご参照ください。

雷でLANが故障する?雷サージの入り口と対策

雷サージは電源線だけでなくLANケーブルや電話線からも入り、ルーターやパソコンのLANポートを壊すことがあります。雷サージとは、近くの落雷によって電線や通信線に瞬間的に流れ込む、異常に高い電圧・電流のことです。電源と通信線の両方を守るのが対策の基本です。

光ファイバーはガラスで電気を通さないため、そこからサージが入る心配は小さめです。注意したいのは電源線、マンションのVDSL方式で使う電話線、アンテナ線、防犯カメラなど屋外へ伸びるLANケーブルです。

  • 雷サージ対応の電源タップ:コンセント側を守ります。ご自身で交換できる手軽な対策です
  • LAN用・電話線用の避雷器:通信線に入れて使い、屋外配線では接地(アース)とセットで効果を発揮します

保護機器は大きなサージを吸収すると劣化する消耗品で、直撃雷までは防げません。雷鳴が近づく前に、パソコン・NAS・テレビなど大切な機器の電源プラグとLANケーブルを抜いておくのがいちばん確実です。雷が真上で鳴っているときは無理に抜きに行かず、機器やケーブルに触れないでください。雷のあと特定のポートだけつながらない場合は、サージによる故障を疑い、別のポートやケーブルで切り分けます。屋外カメラの配線は防犯カメラとLAN工事を同時に依頼するメリットも参考になります。

台風が過ぎたら:屋外機器の点検と、復旧時に電源を入れる順番

台風のあとは屋外の機器と配線を点検し、停電から復旧したらONU→ルーター→HUB→端末の順に電源を入れます。

屋外の防犯カメラ・AP・配線の点検

防犯カメラは向きのずれ・金具のゆるみ・レンズ内の曇り(浸水のサイン)、屋外APは取り付けと防水キャップ、配線は被覆の傷と外壁の貫通部からの浸水を確認します。水をかぶった機器や電源タップは、乾いて見えても電源を入れないでください。垂れ下がった引き込み線は回線事業者へ、切れた電線には近づかず電力会社へ連絡します。一般的に、東区のアイランドシティや西区の姪浜など海に近いエリアは風が強く当たりやすく、金具のゆるみや潮風によるさびも点検したいポイントです。

復旧時の電源投入の順番

  1. ONU(ホームゲートウェイ):電源を入れ、ランプが落ち着くまで数分待つ
  2. ルーター:インターネットのランプが点くか確認する
  3. HUB・アクセスポイント:ルーターの起動が終わってから入れる
  4. パソコンなどの端末:最後に起動し、ネットにつながるか確かめる

端末はルーターからIPアドレス(ネット上の住所にあたる番号)を受け取るため、順番が前後するとつながらないことがあります。つながらないときは一度すべての電源を切り、この順に入れ直すのが基本の対処です。

台風・停電のネット対策でよくあるご質問

Q. UPSで停電中どれくらいネットを使えますか?

UPSの容量と機器の消費電力で決まるため、メーカーのバックアップ時間の目安表で確認するのが確実です。ONUとルーターなら負荷が軽く小型UPSでもしばらくもちますが、数時間以上に備えるならUPS機能付きのポータブル電源の併用も選択肢です。

Q. ONUとルーターを1台のUPSにまとめてつないでも大丈夫ですか?

大丈夫です。合計の消費電力がW値に余裕をもって収まれば問題ありません。バッテリー給電の口とサージ保護だけの口に分かれた機種では、前者に挿してください。

Q. 停電から復旧したのに、ネットがつながりません。

まずONU→ルーター→HUB→端末の順に電源を入れ直してください。それでもONUのランプが消灯や赤色など普段と違う表示のままなら回線側の故障が考えられるため、契約中の回線事業者へ連絡します。

Q. 雷サージ対応の電源タップだけで雷対策は十分ですか?

電源側には有効ですが、LANケーブルや電話線から入るサージは防げません。屋外へのLAN配線があれば、LAN用の避雷器と接地まで含めて対策しましょう。

まとめ:台風シーズン前に「ONU・ルーターの電源」と「雷の入り口」を押さえる

停電でネットが止まる主な原因は、家の中のONU・ルーターの電源切れです。光回線ならこの2台を小型UPSで守るだけで使い続けられることが多く、多くの家庭では高価な設備は要りません。雷サージには電源と通信線の両面で備えましょう。判断に迷ったら、機器の写真をLINEで送っていただければ必要な対策をお返しします。

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